バーテンダー

結局その夜、予約していた宿泊先のホテルに送り届けてくれたのは、リオの方だった。


タモツに送らせると、華子さんのテンションを上げた意味が無くなるとリオが言い出した。


その通りだと思った。


タモツも捨てがたかったが、やはり、今の自分には危険すぎると思った。


タモツの手を取ったまま離せなくなるだろう。


帰り際にリオから渡された名刺にはホストクラブの店名が書かれていた。


「ここの店はね、客に元気になってもらう店だからね。明日を頑張ろうってワリ切れるなら、いつでも遊びに来てよ」


貰った名刺を大事にカバンに仕舞った。


そして、リオを乗せたタクシーが見えなくなるまで、手を振っていた。



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