バーテンダー
彼の申し出に頷いたのは、寂しさからなのか、あの三人に便乗しようとしたのか、自分でも分からなかった。
前提と言う少しの猶予があった為、気が前回のプロポーズより、幾分楽だったことは確かだ。
五年前ほど、お互い切羽詰まった状態ではなかった。
あの頃より肩の力を抜いて、気軽に付き合える。
翌週の週末、彼から少し遠出をしないかと誘われた。
遠出と行っても車で三時間ほどの場所で、前に勤務していた田舎の駐在所だと言った。
集合命令が出ると定時間内に署に出向かなくてはいけないので、遠出をすると署に届けは出してあると言った。