バーテンダー

俺は一応あのバ―のバーテンダーだ。

暇じゃないって言いたい。

あいつがオーナーなら分かりそうなもんだけど。

ほろ酔い気分の女性客が、バ―のドアを開けて、カウンターにくたびれたマスターがいるだけじゃテンション下がるだろ?

普通は。

やっぱ、飲み直すバ―には一夜の恋を連想させる男が必要だろう。

どうにかなるわけじゃなくても、それはそれでいい気分になれるならと、男も女も夜の都会を飲み歩くもんだ。



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