キミの風を感じて

「だけどもうすぐ冬休みだし、紗百たちもやっとゆっくりデートとかできるんじゃない?」


ユメちゃんが明るく言った。


「うん」


実はわたしも期待している。


なんたってクリスマスとかお正月とかあるもん。


部活がオフの日だってあると思うんだ。




「そうそう、ライブやるよ、ドリアンチョッパー」


「え、あ、クリスマスライブ?」


ドリアンチョッパーっていうのはユメちゃんの彼氏・坂田くんたちのバンドで、去年のクリスマスライブをわたしたちは一緒に見に行ったんだ。




「それがね、今年は単独ライブなの」


ユメちゃんの顔がうれしそうに輝く。


「うわっ、すっごーい! 去年は確かいろんなバンドが出てる中のワンステージだったもんね」


「相変わらずの小さなライブハウスなんだけど。

しかもイブもクリスマスも大みそかのカウントダウンも断られちゃって、28日なんて中途半端な日しかとれなかったんだよ」



「おー、12月28日! 楽しみにしとく~」


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