キミの風を感じて


練習を終え、グランドから引きあげようと歩いていると、後ろから声をかけられた。


「加島さん、これ使ってください!」


差し出された真っ白なタオル。




「いや、自分のがあるから」


悪いけど顔も見ずに部室へと向かう。




なんなんだろう、毎日繰り返されるこの手の会話は。


タオルがペットボトルのときもあるし、『はちみつレモンです』なんてときもある。

リボンのついたプレゼントを差しだされることだってある。




「誰からも受け取らないことに決めてるから」


何回も言ったろーが。




しかしながら連日手替え品替え同じ展開が繰り返されている。




「加島さん!」


また別の女の子に呼びとめられた。




「あのっ、よかったら、これ使ってください」


汗拭きシート。パックごと。




あ……ちょうど切らして買いに行かなきゃなんないとこだったんだ。


< 239 / 375 >

この作品をシェア

pagetop