【完】らぶれたー
柴田との距離が、近すぎるから。
全然、集中できないよ…。
「風間、わかった?」
「うん。…あ、ありがとね」
「どういたしまして」
そう言って柴田は、笑った。
多分この笑顔は、誰も見たことないと思う。
正直、その笑顔にキュンとしてるあたしがいる。
だってね。
長い前髪の間から見えた黒い瞳が、すごく綺麗だったから。
闇がない感じだから。
「いきなりで悪いんだけど…。
前髪切ったら、柴田格好いいと思うよ」
あたしがそう言うと、柴田は顔を赤くした。