愛してるっ








『続きやろうや。』
真未が言って、ゲーム再開。
『玲、ぼぉーっとすんなよぉ!!(笑)』
結衣が言う。

しゃあないやん。
だってこれから、当たり前のようにあたしの隣におった悠翔がいなくなるねん。
あたしを見てた悠翔が見てくれんくなるねん。
ぼぉーっとしても仕方ないやん……
ちゃんとしろって言う方が無理やし。

楽しくないなぁって思いながら、あたしはその場所にいた。
戻ったら、また悠翔の席を通るから。
行きたくない。

どれくらい時間が経ったんだろう。
『席戻って』
先生のそんな声が聞こえた。
渋々席に戻るあたし達。
悠翔を見ないように咲と01緒に走る。

あぁ…なんて弱いんだろう。


広島駅。
もっと田舎やと思ってた。
結構、都会っぽい…
『みんなついてきてやぁ』
先生が言ってる。
バス停までにある道路。
――――――プップー
「危なっ」
なに??
見上げると…愁ちゃん??
『…??愁ちゃん??』
あたしは愁ちゃんに抱きかかえられていた。
「道路に急に飛び出したら危ないって01年生で習わんかった??」
『…習ったよ??』
「引かれてたら死んでた。」
『嘘…??ごめん…』
「ほら。早く行かないと。」
トラックに引かれかけたんや…あたし。
先生にはバレてないみたいやし…
…愁ちゃんありがとう。






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