僕が君にできること
スターの知られざす素顔だった。

確かに華やかで憧れる世界。だけど実際は作り出された世界で自分なのに自分じゃない。

そんな世界に何も知らない私たちは魅了されていくのだろう。

「まっ飲みな!」

私はdietペプシのグラスをその男のグラスに軽くぶつけた。

チン!と間抜けな音が響いた。

ブッ!と吹き出しその男は笑った。

行き当たりばったりでもいいか。

スターのお遊びの相手なんて光栄なことだ。

一線を越えず友達ならアリだ。

知られちゃいけない素顔を、私は知っている。

漫画話の相手になればいいんだ。

誰にも言わない…いや。言ったところで信じてもらえない。

アイドルとの秘密の時間。

なんで私?なんて追求するのはやめておこう。

私は自分のことは語らず、その後少し漫画話で笑いあった後最終電車に乗るため店を出た。

「じゃ~」

「じゃ!」

お互い軽く右手をあげ別の方向へ歩いた。

次があるかなんかわからないけど。それでいいんだきっと。

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