僕が君にできること
「でも…彼氏いるのは計算外で正直ショック」


どう言う意味だ?


「少女漫画で擬似恋愛しているぐらいだから絶対フリーだと思ってた」


…だから?実際彼はいますけどもいなかったらどうしようと…


頭の中がクルクルパーになりそうだった。
きっとやつにはクルクルパーに見えただろう。
自分を取り戻そうと頭の中で現状把握に必死になっていた。


その時だった。


子犬は本当に私の鼻先を舐めた。


「鼻の先って冷たいよね」
そう呟くとスローモーションで近づき唇が重なった。


「アイドルが普通の地味な恋をしちゃダメなのかな?」
奴は鼻先をすり合わせてきた。


本当だ冷たい。


「金子鉄男はかなり地味な人間です。湯川旬とは別物」
奴はさっきも言ったことを繰り返した。


触れただけの唇はもっと深いところまで入り込んできた。



どうしよう…大怪我をしそうだ。
もしかして…命を落とすかも。


小さな擦り傷はどんどん化膿していった。


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