本屋 和正の優雅な読書
終電での一件もある。

色々腹に据えかねていた優花は、ツカツカと受付に歩いていく。

「……」

優花の影によって誌面が暗くなった事で、和正はその存在に気付いて顔を上げる。

「ああ…先日はどうも」

「どーもっ」

憮然として挨拶する優花。

図書館での挨拶としては、やや声が大きめだ。

「ここの図書館に勤めてたのね」

「ええ、名刺に書いてあったでしょう?読んでおられなかったんですか?」

新仮面ラ○ダースピリッツの誌面から視線を離す事なく、和正は呟く。

「人と話す時はこっち見なさいよアンタ!」

「アンタなんて呼ばないで下さい。本屋 和正です。名刺に書いてあったでしょう?貴女は本当に字を読まない人ですね」

「本屋さんも『貴女』なんて呼ぶな!姫野 優花よっ!」

受付の机をバンバン叩きながら優花はまくし立てる。

行動までオッサンだ。

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