ダブルスウィッチ
ただ、彼女も自分と同じならば、薬の効力は充分期待出来るんじゃないか?


それだけが彩子の頭の中に色濃く残る。


どうせ自分の預金など使う機会もなかったわけだからと、迷うことなく彩子はその薬を購入した。


もし、ならなかったらならなかったで仕方のない話だ。


だいたいこんなことが現実に起こるなんて、誰も信用していないだろう。


ならば、遊びのつもりで、五万は投資だと思えばいい。


荷物が届く時間帯を昼に設定すれば、亮介にも気づかれることはない。


さっきまで憂鬱だった気持ちが少しずつ晴れていく。


パソコンの履歴を消して、電源を落とした。


一週間ほどで、その薬は届くらしい。


あとは彼女とどうコンタクトを取るかだ。


無言電話がなくなってしまった以上、彼女との接点はなにもない。


亮介の携帯電話に履歴があるだろうか?


しかしあの亮介のことだ、しっかり証拠となるものは消してあるかもしれない。


それでもそこしかないと、的を絞る。


もう眠りについただろう亮介の携帯を確認するために、彩子は静かに二階への階段を上がっていった。


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