ダブルスウィッチ
「そんな方法があるなら試してみたいですけど、でも余計なことをして今の関係が壊れるのも嫌なんです」


愛人だと認めたことになるけれど、こうでもしなければ彼女は引き下がらない気がした。


さっきまでだんまりを決め込んでいたえみりが喋ったことで、少しは動揺するかと思いきや、彼女は嬉しそうに声を弾ませる。


『確かに絶対とは言い切れませんが、試してみる価値はあると思うんです

詳しい話を会ってさせてください!お願いします』


無言電話でえみりに威圧的に話しかけてきた彼女と明らかに違っていた。


愛人のえみりに頭を下げるほどの何かを彼女は持っているんだろうか?


少しだけえみりの心が揺れた。


もしこれが罠だったとしても、どうしようもないこの独占欲を、少しでも減らすことが出来るのならかけてみるのも悪くない。


それに彼女が嘘を言ってるようには思えなかったのだ。


「わかりました

一度お会いしてお話、うかがいます」


『ほんとですか?

良かった……

では、あなたに日にちは合わせます

私は専業主婦なので午前中に家事を終わらせれば午後ならいつでも』


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