イケメンSPに守られることになったんですが。
「あ、あの……すいません、交代しました。もうリョウではないのですが……」
がば、と顔を上げる。
そこには少し赤く染まった、亮司さんの顔があった。
「大丈夫です。もう怖くないですよ」
「亮司さん……!うえっ、うわぁぁぁん!」
「えっ?あれ?あの、中園さんっ?」
ますます強くしがみつくと、亮司さんは困った声で私を呼ぶ。
「良かったぁ、亮司さんもリョウさんも無茶するんだもん……!
心配だったんだから……!死んじゃうと思って、ほんとに、怖かったんだから……!」
「中園さん……」
「もうやだ、SPなんかいなくていいです。
私みたいなダメな人間のために、皆さんの命を危険にさらすのは、もう嫌です。
私なんか死んじゃったって、別に誰も困らないけど、亮司さんや、リュウさんや、皆さんが傷つくのは嫌です!
立派な警察官の皆さんが、こんなへっぽこ一般人を守って傷つくなんて、おかしい。理不尽です。
私なんか、皆さんに守ってもらう価値ありません……!」
泣きながら訴える。
もう、SPなんかいらない。
私なんかのために、誰も傷ついてほしくない。
死んじゃったって、しょうがない。
本当は嫌だ。怖い。けど、運が悪かったんだ。あきらめる。
でも、この人たちが傷ついたら、あきらめきれない。後悔しきれないから……。
嗚咽が止まらなくなってしまった私の体。
その背中に、ぎゅっと温かい力が込められた。