イケメンSPに守られることになったんですが。
「やだっ、どっか行ってよ!
亮司さんもリョウさんも最低!大っ嫌い!!」
子供の喧嘩みたいな台詞。
それに亮司さんは怒ったのか、バン、と扉をたたく。
「大嫌いでいいですから、出てきて状況を説明してください!
俺だって、わけがわからないんです!」
なんで、どうして……。
あなたたちは、根っこの部分は一緒なんでしょ?
「なんで……っ、自分のしたこともわからないの……っ!?」
「…………!」
「リョウさんだって、あなただって、結局同じ人間なんでしょう!?
リョウさんのせいにして全部逃げられたらさぞ楽でしょうね!
いいなあっ、二重人格!私もなりたい!」
「麻耶さ……」
「私だって、わかんない!!
リョウさんが、私のこと……本当はどう思ってるのか。
どうして、大丈夫だなんて言ったのか……」
体が冷えて、震えだした。
手に持っていたバスリリーはぽとりと落ち、私自身も塗れた床にへたりこむ。