イケメンSPに守られることになったんですが。


お金がない。


仕事がない。


家族がいない。


友達がいない。


彼氏がいない。





……それが、なんだ?




私には、まだ『私』が残ってる。


胸と体力はないけど、一応健康な体だってある。


たしかに、実の両親とか、クビになった仕事とか、二度と取り戻せないものもある。


だけど。


それ以外は、これから生きてがんばれば、なんとかなるんじゃない……?


死にもの狂いで働けば、お金は生活に困らないくらいはできるはず。


友達はすでに一人いるからじゅうぶん。


彼氏は……。



うん、きっとそのうちできるさ!


リュウさんみたいなイケメンに好かれたんだ。


一生モノの自信になったじゃないか!



「……よし!」



どうにかして、生きて帰ろう!


こんなところで朽ち果ててたまるもんか!


……それに、亮司さんと約束したんだ。



『もう、そんな悲しいことは言わないでくださいね?』



優しい笑顔が脳裏に浮かぶ。



当たり前だ。



『自分なんか何の価値もないから、死んだっていい』



そんなこと、二度と言わないよ。


だって、こんなに……。


私は、生きたがってるんだもの。


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