イケメンSPに守られることになったんですが。
そんな私の思考を見抜いたのか、亮司さんは盛大なため息をついた。
私に毛布と布団をがっつりかぶせた彼は、ベッドのふちに座って、こちらを見下ろす。
「……俺だったら、そんなフラフラの作家が慌てて書いた原稿、読みたくないよ。
今ムリして、後でミスが見つかったらどうする?その方が迷惑だろ」
「あ……」
そりゃそうだ。
早めに仕上げてお休みを満喫しようだなんて都合のいいことばかり考えて、確実に仕上げることが置き去りになっていた。
恥ずかしい。お金をもらうからには、プロとして確実にやらなきゃならないのに。
「……ごめんなさい。明日のお休み、楽しみにしてたから……早く終わらせなきゃって。
でも、お仕事を確実にしなきゃダメだよね。
せっかく一緒にいられる時間もダメにして……心配ばっかかけて……」
私、ダメダメだ。
納得すると、体から全部の力が抜けていく。
「その気持ちは嬉しいけど、ムリはしなくていい」
亮司さんは微笑んで、あたしの額を優しくなでる。
その大きな手は、相変わらず温かくて……私の心配やつまらない気がかりを、優しく溶かしてくれた。