わたくし、政略結婚いたします!?
母の葬儀は、約束通り速やかに行われた。
御墓の前で手を合わせ生前の母の微笑みを思い出すことが出来てようやく、私はきちんと母を見送れたのだと思った。
レナルドは一刻も早く籍を入れ式を挙げたいようだったが、喪に服していたので私には花嫁になるまでしばしの猶予が与えられた。
伯爵の爵位をもつローズ家。
一方、なんの爵位も無くただの成金で資産だけは溢れているハーリトン家。
私は、初めてハーリトンの屋敷に足を踏み入れたとき、その違いに愕然とした。
なんだ、この無駄な装飾品は。
やっぱり、爵位なんかなんの意味もないんだ。
お金がなきゃ、どうしようもないんだ。
そう、思い知らされた。