わたくし、政略結婚いたします!?
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ふわりと、頬に掛かった髪が優しくよけられた。
指先から微かに感じる体温。
触れてくれるその温度が嬉しくて、大きな安堵が私を包んで。
その手が誰のものなのか、確かめたかった。
だけど、柔らかな眠りも手放したくなくて。
私は結局重たい瞼を押し上げることはできずに、ゆらゆらと夢の中をさまよったままだった。
「…………ん」
だけど、離れていってしまう体温が寂しくて、「離れたくない」と意識の端で必死の抵抗。
それは微かな身動(みじろ)ぎになって、指先だけだった体温は、ゆっくりと掌で頬を包み込んでくれた。