Sion




そんな二人の間に入る気はない。




「私は強くない。あなたが憧れているのは強く見せようとしている私だよ。あなたは…あなたが思ってるより強いと思う」




那由汰に会うためにここまで来た。
きっと自分では出来ないだろ。





弱そうに見えていた希愛だが、実は強い心をもっているように思える。




優愛は邪魔するつもりなんてない。
那由汰の気持ちが動かない以上、何をやっても無駄だから。




邪魔者は退くだけ。




優愛は振り返って那由汰を見た。




那由汰には本当に感謝をしている。
その才能が好きだし、奏でる音が大好き。




< 203 / 303 >

この作品をシェア

pagetop