運命の狼さん
プロローグ
肩ぐらいまで伸びた漆黒の髪、切れ長の綺麗な目、他人を寄せ付けないオーラ。
私は正直、彼が怖かった。
彼の優しさを知る迄は、周りと同じように、彼を避けて通っていた。
―ガシャン…
「あぶねっ…!」
あの出来事が無かったら、私は今でも、彼を怖がっていただろう。
私は次第に彼に惹かれていった。
だけどそんな彼は、もう居ないんだ…。
私のせいで―…。