野良猫の飼い馴らし方。
―…目が覚めたのは、眩しいほどにあたしを照らす、夕日の光だった。
帰ろうと立ち上がったところで、この空間の異変に気付く。
「…最悪だ。」
開いている入り口、肩に掛かった毛布、そこから香る香水。
…誰かが、ここへ来たんだ。
しかも、あたしに触れたんだ。
「うっ…」
変なトラウマのせいか、この状況は、どうにも受け入れがたい。
飛び起きて、すぐに部屋を出た。
―そんなあたしを見つめる視線なんか気付かずに。
繁華街の近くの細い路地裏で、スプレーを使って髪色を変え、メイクもばっちりにする。
付けまつげをしてアイラインを引くだけで、顔なんてだいぶ変わってしまうものだ。
元々大人っぽい顔だからか、これだけで、大学生には見える。