野良猫の飼い馴らし方。
「警察、呼びますよ?」
「テメっ…!」
…ピリピリと。
今にも殴り合いが始まりそうなその雰囲気が怖くて、あたしはこっそり逃げ出した。
「あっ、逃げやがった…!」
遠くからそんな声が聞こえたけど、無視。
ここで振り返るなんてバカな真似は、絶対にしない。
あの5人には悪いけど、できるだけ時間を稼いでくれるようにと、心の底で叫んだ。
あんなの…
「あんなの、怖すぎるーーー!」
あたしは、泣きながら夕闇に飲み込まれかけている繁華街を飛び出した。