野良猫の飼い馴らし方。

「―行ってきまぁす」

久々に髪を弄ったせいか、思ったよりも時間がかかった。

家を出る頃には、もう1時間目が始まる時間だった。

またサボりだなぁと思いながら、無意識に学校の屋上に向かう。



重たい扉を開けると、ビュンと涼しい風が吹いた。

なびいた前髪を整えながら、あたしは日陰に座り込む。

下の自動販売機で買ったフルーツミックスジュースを一口飲むと、やっと覚醒できた気がした。

飲みながら、今日の予定を考える。

とりあえず授業には出よう。

繁華街は…しばらく控えようかな。

ぶつぶつ言いながら考えをまとめていると、チャイムが鳴り響く。

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