おちてきた。

第一なんでこんな急いでんの、俺。

始まりなんて本当に些細なものだ。

そりゃあもう、月並みすぎて覚えてないくらい。

それが何故か、気づいたらか借金取りのおにーさん方に追いかけ回されていた。


何でだ。


これがどこぞの美少女ならさぞかし美味しい展開になっていただろうが、残念ながら俺はれっきとした男である。

家は割りと普通で、借金なんてしていない筈だ。

なのに何で。


……今日は厄日なのかもしれない。
うん。きっとそうだ。そうにちがいない。


自分の中で適当に納得できる理由をこじつけ、とりあえず終わらせておく。

もう少ししたら行くか、と体から力を抜いて何となく上を見上げた。




それが間違いだったのだ。
いや、そもそもここに逃げ込まなければ。
もっと早くこの場を去っていれば。

……なんて、全て今更なのだが。
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