捕らわれ姫




黒縁めがねはオタクっぽくて、白衣はヨレヨレ……なのに。

その眼鏡の奥に光る漆黒の瞳に……吸い込まれてしまいそうになる――…。






ドキドキが止まらない。







「……あと少しですか」



先生が何かを呟いたけど。


「え…っ?」


自分の気持ちの変化に戸惑っていた私は、聞き逃してしまった。



「いえ、何でもないですよ?

 では、帰りましょうか」


翻すとそのまま机を片づけ始めた先生を見て、私もバケツと雑巾を片づけた。


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