捕らわれ姫




………苺ミルクの飴。



先生の後ろ姿が見えなくなってから、その包み紙を開いた。


淡いピンク色の小さな球を口に入れる。



「……甘い…」



先生の、匂い。


この飴の匂いかな……?









あの、甘くて優しい、爽やかな―――…






思い出して、胸が痛いほど打ちつける。








その理由は、まだ知らない―――。

< 20 / 69 >

この作品をシェア

pagetop