捕らわれ姫




「―――っっ!」



呼ばれて慌てて立ち上がれば、クラス中がクスクス笑っていた。




「……お前、どんだけ熟睡してんだよ」


隣の席の関口君が呆れたように言ってきた。



私を起こしたのは関口君だったんだ……。





「姫野さん」




関口君から視線を前に向けると、教壇から先生が私を見ていた。


瞬間、体が震える。





「授業中です。気をつけて下さい」

「……はい。 すみませんでした」

「席について。

 では、さっきの続きですが――」



これだけのやりとりに、何故か泣きそうになった。

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