捕らわれ姫




「姫のバーカ」



小さく言われた言葉に慌てて隣を見ると、関口君がニヤニヤしながら私を見ていた。



「……うるさいな」

「せっかく俺が起こしてやったのに」

「むぅ……それは、ありがとう」



二人前を見ながら会話をする。

後ろから二列目の私たちの席は死角になっていて、先生は私たちに気づかない。



「お礼にアイス奢れ」

「いやいや、そこまでじゃないでしょ。
 現に起きれなくて見つかってるし……」

「おまっ バカだなぁ、やっぱり。

 危険を犯してまでクラスメートを助けようとした俺の優しさに気付けよ!」

「ちょっ 声デカ」



「姫野さん!関口君!」




……ほら。

バレたじゃないかぁ……(泣)

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