捕らわれ姫




隣の校舎に着き生物準備室の前に立つ。




………どうしよう。


ドアが閉まってる。

開けるには手のノートを床において……



考えるより早く、ドアに映る私の影が更に大きな影に隠れた。




ガラガラガラッ






「入りなさい」



私の耳元で囁かれた言葉。


気付いた瞬間には、白い背中が部屋の中にあった。





「……失礼します…」



ゆっくり足を進めると、先生は席に座り机を片づけ始めた。


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