あたたかい雪
「わあ!」


カーテンを開いた途端、思わず感嘆の声を漏らしてしまう。


窓の向こうには、あたたかみさえ感じさせる綿雪がふわふわと舞い、眼下に広がる街並みが一面白に覆われていた。


「すごい……積もってる」
美穂は惚けたように外の景色を眺めながら、ありのままの状況をただありのまま呟いた。


眠気や不快感など、すでに飛んでしまっていた。


この街に雪が積もることなどめったになく、例え積もったとしても2~3㎝程度。
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