はちみつれもん

“ま、いいや”。そう言おうと思ったのに、遮られた。

予想どおりに食いついてきた。


“絶対思い出すから。”
明らかにそう思っていることが伝わる視線。
思わず笑みがこぼれた。



俺の思惑通りなことに麗奈も気づいたみたいだけど、もう遅いかな。

「じゃあ、あたったらご褒美あげるよ。」


冗談まじりに言ったけど「わかった。」と了承したから少し驚いた。

まぁ、適当に流しただけだろうけど。



「ねぇ、西川くん。」

ん?と、麗奈のほうを向いた。




「あたしの回答権、一回でいいよ。」

…………は?


一瞬で余裕を覆された。流石にこれは予想外。
どんだけ負けず嫌いなんだよ…

「わかった。」



やっぱりおもしろい。

罰ゲーム、決めたわ。
もし正解できなかったら……
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