はちみつれもん

まあ、俺のことは知らないか。
すぐに知るだろうけど。

人気者だから。(笑)



「覚えた。またあとでな。」


あえて俺が誰かも、なん組かも教えない。

これで、絶対俺のことが気になる筈。
つか、ならないわけないだろ?


そんなことを考えながら、さっきの目を思い出す。

決めた。俺のものにする。

―――いつも通りに。





そう、いつも通りに。


その筈だった。

まさか自分が大きく変えられることになるなんて
この時はまだ、全く思ってもいなかったんだ。


そして、
そんな ゲーム感覚だった俺は、彼女に残された傷跡のことも

何も、何もかも、まだこの時には想像もしていなかった。
< 8 / 38 >

この作品をシェア

pagetop