はちみつれもん
まあ、俺のことは知らないか。
すぐに知るだろうけど。
人気者だから。(笑)
「覚えた。またあとでな。」
あえて俺が誰かも、なん組かも教えない。
これで、絶対俺のことが気になる筈。
つか、ならないわけないだろ?
そんなことを考えながら、さっきの目を思い出す。
決めた。俺のものにする。
―――いつも通りに。
そう、いつも通りに。
その筈だった。
まさか自分が大きく変えられることになるなんて
この時はまだ、全く思ってもいなかったんだ。
そして、
そんな ゲーム感覚だった俺は、彼女に残された傷跡のことも
何も、何もかも、まだこの時には想像もしていなかった。