薇姫/獣帝



『……暁月…』



「何でいんだよ!?


来るならくるでメールか電話しろよなぁ〜……



ん?



てかその童顔チビ誰!?



新人?


てかお前また拾ってきたのかよ。



お前も暇人かってくらい拾ってー『黙ろうか。』



笑みを浮かべてそう言うと、暁月は顔をサッと青白くさせ、目を逸らした。



「さー、俺は仕事でもしてきます」




『逝ってこい。』




「漢字が違いますよね!?」




暁月はギャーギャー喚きながらも私から遠ざかって行った。




『……咲夜』


暁月と入れ違いで私の元に来る咲夜。



「京汰、琉稀に会えるーってすんごい嬉しがってたけど。



親友にも会えるとは思ってないだろうね」




咲夜はクスクスと穏やかに笑いながらぽかんとする翔平に目を向けた。






私は翔平を見て言い放った。









『……行くぞ』











翔平は不安そうな、でも意思の強い顔をして歩き出した私についてきた。





< 100 / 430 >

この作品をシェア

pagetop