薇姫/獣帝
「ひっ、ら、來哉さん…………」
1人の間抜けな声が聞こえた。
亮太は呆れ顔で私をチラ見した。
「そーいや、返すの忘れてたな……」
『……………』
私は黙って上の鬼を見ていた。
「琉稀」
『何?』
呼ばれて反応すると、來哉は眉をピクリと動かして口を開いた。
「上、来い」
『………断れば?』
「引き摺り上げる」
それを聞いて私はおとなしく上がった。
來哉は私の腕を掴んで総長室に連れて行った。
………何がしたいんだ、この男。
私は頭に疑問符を浮かべながら誘導されるがままに部屋に入った。