薇姫/獣帝
「怜央、久しぶりなんだし自分の部屋で寝れば?」
咲夜が首を傾げて微笑みながら怜央に提案する。
「ん~…
考えとくよ」
そう答えて笑った怜央の右半分の額には、大きい傷痕がある。
初めての抗争で目を離せば怜央は1人で私から離れ、ナイフで刺されそうになっていた。
私が間一髪で体を押したから重傷にはならなかったものの、傷は残った。
あの後の怜央は悔しそうに唇を噛み締めていた。
あの顔を今でもしっかりと覚えている。