薇姫/獣帝
「……お前、いつカラコンしたんだ?」
『バイク乗ってる時』
「……(そのうち死ぬ)」
棗によって運ばれた紘はまだ深い眠りの中に居る。
時々柔らかい笑みを浮かべたり、悲しそうな顔をしたり。
…寝てる時のほうが表情豊かじゃないか。
少し不満に思いながら柔らかい笑みを嬉しく感じた。
『……』
崩壊はどう転んでも始まる。
その始まりまでの予兆が怖いんだ。
そして、
始まりに、どう来るか……
『佐野……』
小さく呟いた言葉は恨みの篭った声で。
心底、あいつが許せないんだ。