薇姫/獣帝
健吾side
「はー…バカ息子が……」
奈耶の傍でずっとあいつの人生を見守ると思っていた。
だが、あいつが壊れることを予想してはいなかった。
拳銃の密売をしていた俺は藍城の対抗組に渡しにいった。
奈耶も馬鹿だ。
藍城の名しか目に入ってなかった。
俺は藍城じゃなく、逆の方に殺されたんだっつの。
逆に藍城の奴等は敵ながら守ってくれたっけ?
棗とかいうまだ24〜5のわっかい野郎に守られて、逃げようとして銃で頭を一発。
まー、即死。
俺は奈耶を見ながら溜息を吐いた。
仕事の事は言っておくべきだったのだろうか?
いや、別にあいつにいっても何もならんし。