たった一つのお願い


「それが普通だよ。
今までのお前がおかしかったんだよ」



「は?」



「好きな人と一緒に居たいと思うのは当たり前だって話」



「しかし…」



「自分が良いなら良いと思うよ。とりあえずまだ早いけどおめでとうさん」




そう言うと奴はサラサラと俺が横に置いたボールペンを持って名前を書き始めた。




「まさかお前に先越されるとはなー参った」




ほら、酒と摘み来たぞと言って飲み出そうとする祐司の腕を掴み制止した。




「どうした?」




俺は少し俯き、祐司と目が合わせられない。
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