たった一つのお願い
「…え?」
「さぁ、仕事しましょう」
自分の手が止まっていたくせによく言ったものだが、俺にはコレ以上話しかけるな、というオーラを出して仕事に取り組む。
後で、春陽の連絡先を祐司に聞こう。
親に禁止されてしまっている今、会いに行く事は出来ない。内緒で会いに行くだなんて事は間違っている。
俺は必ず認めてもらう。そして堂々と彼氏面をさせてもらう。出来るだけ早急に。
あぁ…祐司に春陽のお父さんの連絡先も聞かないと。
余命は5ヶ月。
春陽と俺が過ごせる時間は限られているのだから。