ももの天然水
そして、文化祭――・・・

「紗優~!」

隣のクラスの果歩が来た。

「どうした?」

「着物の着付けができないの!助けて!」

「わかった。すぐ行く。」

去年と同様、なにかしらの頼みごとが来る。

果歩の着付けが終わり、教室に戻る。

「どうするんだよ、これ。あ、紗優!」

「なに?翔」

翔に呼ばれると悪い予感しかしない。

「いいところに来た。これ着ろ!」

出されたのは、執事服。

なんで、男物?

「嫌だ。」

「お前しか似合うやついないんだよ!」

意味わかんない。

男がいるじゃん。

「うち、裏方の仕事あるし。」

「そっちなら綾乃に任せた!」

「紗優、大丈夫だから。それ着て!」

いやぁ~、こっちが大丈夫じゃないんだよねぇ。

ま、こういうときは、

「逃げる。」

「あ、ちょ!待てー!おい、おまえら追え!」

後ろを見ると、男子の集団。

きっも!

てか、こわっ!

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