海賊王子ヒースコート
「お前…確か、キャンディスの…」
「はい。兄のハワードです」
ハワードは答えながらヒースコートの手当てを終えた。
「ここは海軍の船ですよ。今、我々はセルディスタ本国に向かっています」
「カーペルキングか…?ガルニカか?」
「行き先はガルニカ港です。そこで軍の裁判を受けてもらいます」
「裁判、か…。どうせ、有罪にして処刑だろ…?」
ヒースコートは嘲笑して薄闇を仰ぎ見た。
船底の空間なのか、天井から吊り下がる小さなライトの明かり以外、光はない。
「それはまだわかりません。クレマン海賊団は民衆には受けがいいですから。かくいうボクも、昔お世話になりました」
「は?世話に?」
意外なセリフにポカンとするヒースコート。
ハワードはクスリと笑うと嬉しそうに話し出した。
「はい。ボクはセルディスタのイグナス島出身なんですが、そこは昔、海賊の巣窟でして…」