海賊王子ヒースコート
真昼間から酒場に入り浸る者を見かけることは、カーペルキングにおいてはよくあることだ。
今日も数人の男達が酒場のカウンターでワインやビールを飲みながら、何やら良からぬ相談をしている。
「聞いたか?今夜、クオーツ島であのくそったれの婚約パーティーがあるんだと」
右頬に十文字の傷がある金髪の男が、店主にビールの追加を頼みながら仲間に言った。
「くそったれって、ギルバート・ロックウェルのこと?」
やや癖のある薄紫色の髪の青年が聞き返す。