海賊王子ヒースコート
「僕はエリオット、よろしくね」
ナチュラルに自己紹介をされたアイリーンはヒースコートに抱かれたまま、ペこりとお辞儀をした。
「あ…私はアイ――」
「知ってるよ。アイリーンちゃん、でしょ?」
(え?なぜ名前を…)
ここで彼女は思い出した。
(そういえば、この方も私の名前を知っていた…)
ヒースコートの顔を見つめ、記憶を辿る。
屋敷で人質となる時、確かにはっきりと呼ばれた自分の名前。
「ふふっ、敵情を知るのは当たり前。君のことも色々と調査済みだよ」
エリオットが邪気のない笑みを作った。