【完】I LOVE YOUが言えるまで
「もぉー、美緒ってば!受付の身になってよ、まったく…」
と真理子は心のずぅーっと奥で怒った。
「お待たせいたしました。
沢口は外回りで、戻り時間はわからないとのことでした」
「真理子さん、ひょっとして避けられてますか、俺は」
疑いのまなざし。
真理子の顔が思いっきり引きつった。
「嫌…、そそんなことはないと思います。
沢口は管理職のため、忙しいだけだと思いますが」
明らかに動揺している真理子がそう言うと、高倉は真理子にメモを渡した。
「俺の携帯番号です。美緒さんに渡して下さい。また明日も来ます」
と言って、高倉は帰って行った。
「あの子…、なかなかいい性格してる。
案外、美緒といい恋愛出来るかも」
真理子はそんなことを思い、にやけていた。