【完】I LOVE YOUが言えるまで
美緒が向ったのは喫煙所。
ガラス張りの喫煙所には高橋の姿が見えた。
”やっぱりここか…、ったく…”
と美緒は呟き、喫煙所のドアを開けた。
ドアが開いた瞬間、高橋は美緒を見て一瞬固まり、慌てて挨拶をする。
「あっ!主任!お疲れ様です」
高橋は挨拶をすると、美緒の顔を見ないでうつむいた。
美緒は手に持っていた書類で高橋の頭を叩いた。
美緒に叩かれた高橋は、驚いてタバコを床に落とし、慌てて拾う。
『高橋…、タバコ吸ってる場合じゃないんだよ。この書類、誤字脱字ばっかでつかいもんになんないからすぐに直して』
と言って美緒は高橋に書類を渡す。
さっきの叩かれた時とは違い、おとなしい話し方をした美緒に、高橋は尚更ビビる。