【完】I LOVE YOUが言えるまで
そう…、美緒がこうゆう話し方をする時は要注意のサイン。
高橋は慌てて美緒から書類を受け取った。
「あっ、はい、すみません、すぐ直します」
高橋はそう言って、慌ててタバコを消し出て行った。
『たく…、仕事さぼってタバコ吸うなんて百万年早いっちゅうの。
何であいつは入社して五年にもなるのに、成長しないんだろうね…』
と思わずため息をついた。
美緒は自販機で缶コーヒーを買い、タバコを吸った。
『はぁー、下が育ってくれりゃ、私の仕事も減ってくれるんだけど…。
何であーも成長しない奴ばっかかな…。
最近の若いもんは何考えて仕事してんだかさっぱり分からん…』
まだ二十九のはずなのに、言ってることは五十代の美緒。