【完】I LOVE YOUが言えるまで
美緒は時計を見る。
ただいまの時刻、八時三十五分。
美緒は部長の席に向かう。
『部長、お先に失礼します』
「一緒に呑みに行くかと言いたいとこなんだが、俺はまだ仕事が終わりそうにないんだ」
『部長、頼まれた書類作り頑張って下さい。
私はこれから約束がありますので失礼します』
「デートか。お疲れ様」
美緒は部長に頭を下げ、オフィスを出て行った。美緒は会社を出て、タクシーを拾おうとした時、後ろから声が聞こえた。
「美緒、お疲れ。今帰りか」
それは永嶋だった。
『お疲れ様でした』
美緒はそう言って、タクシーを待つ。
すると、後ろから腕を掴まれた。
美緒はハッとして後ろを振り向く。
「これから俺に付き合ってくれ」
美緒は何も言えずに永嶋を見つめていた。