【完】I LOVE YOUが言えるまで
「美緒、待ってたんだ。美緒のこと」
美緒は永嶋の手を振り払った。
『ごめんなさい、約束がありますので』
永嶋は美緒を抱きしめた。
『永嶋さん止めて下さい。誰かに見られます。離して!離してっ!』
「離さない、俺は美緒を離さない。
美緒…、ダメなんだ、俺は美緒が居ないと」
永嶋から離れようともがいていた美緒の体の力が抜けた。
この頃、約束の場所にすでに到着していた高倉。
「マジだよな、美緒さんから誘われたんだよな。なんか信じらんねー」
と言って、高倉は自分のほっぺをつねる。
「痛いっ!夢じゃない、夢じゃないんだ」
高倉は美緒に誘われたことで、すっかり舞い上がっていた。
美緒は永嶋の背中に手を回した。
『永嶋さん…』
美緒は永嶋にしがみついた。