【完】I LOVE YOUが言えるまで

永嶋にプロポーズをされ、笑い飛ばしてはみたが、心臓はバクバクだったのを必死に隠した。


結婚なんて考えたこともなく、その相手が永嶋なんてもっと考えたことがなくて、でも結婚と言う言葉に、妙に反応してしまう。


美緒は今年で三十歳、結婚の言葉に反応するのは当然。


『結婚かぁー、この年だったら、結婚して、子供の一人や二人居てもおかしくないんだよね…。
私が結婚したら、ちゃんと奥さんやって、母親出来るのかな?想像すら出来ないよ…。
今年で三十か…、この先どうなるんだろう。
私の人生は…。
もしかしたら、このまま生涯独身だったりして。お父さんとお母さんがっかりするな。
きっと孫の顔が早く見たいとか思ってるんだろうな…』


色々なことが頭の中を駆け巡った


気が付けば、六缶買ったビールが残り一本。


最後のビールを開けようとした時、美緒の携帯が鳴った。


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