【完】I LOVE YOUが言えるまで

高倉はとても優しい目で美緒を見つめていた


「すみません。
美緒さんに頭を下げさせてしまって…。
俺はそんなつもりで逢いに来た訳じゃないんです。
俺は美緒さんを怒らせる様なことを何度もしました。
そのことを謝りたかったんです。
美緒さんを責めるつもりなんて全くないんです。
ただ…、話を聞いて欲しいんです」


高倉の言葉を聞いた美緒は、真理子が言ったことを思い出した。



高倉は悪い奴じゃない。


本当にそうかも知れない…。


こんなに必死に美緒に自分の気持ちを伝えようとしている。


『分かった。話聞くよ』


聞いてみたくなったのだ。高倉の話を…。


美緒の言葉を聞いた高倉は、呆然と美緒を見つめていた。


『私は高倉くんのことを誤解してたのかも知れない。
人は見かけじゃない。中身だよね』


美緒の言葉で、高倉はホッとして、ゆっくり息を吐いた。


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